海関碼頭園区(淡水税関埠頭園区)
更新日:2022-10-20
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紹介
中正路にある税関埠頭園区は清朝時代、1858(咸豊8)年の天津条約および1860(咸豊10)年の北京条約によって台湾の非常に重要な港となり、貿易史においても重要かつ影響力のある存在です。当時の港務局埠頭およびイギリス領事船屋はここに設置され、中国政府が後にイギリス人のレイ(Horatio N.Lay)を「総税務司」として正式に招聘しました。税関の管理権を西洋人に移譲していたことは、清朝末、北台湾が列強に侵略されていたという重要な歴史的証拠となります。淡水税関埠頭区内には、清朝と日本統治時代の税関関連の建築物が今も残っています。埠頭本体と二階建ての洋館1棟、倉庫2棟、およびその他関連の建築物の跡があり、現在は市定古跡に指定されています。河岸の歩道では全長約150mで、重力式岸壁構造の淡水税関埠頭の姿がはっきりと見えます。岸壁の表面は全て硬石で、中に粟石を入れた石材建築ですが、これは潮水の侵食を防ぐためです。当時、石材は観音石や唭哩岸石が多く用いられていました。また、「繁船石」や船が荷物を積み下ろす「乗船口」の埠頭景観もありますが、現在では海軍の防衛埠頭として、軍用のキャンプ地エリアとなっています。この清朝の遺跡を遠くから眺め、100年前の港の栄華に思いを馳せることができます。
「淡水税関埠頭園区」の園内には洋館と日本統治時代に建てられた「港務倉庫」が2棟あり、見学可能です。現在、自転車で園内をまわることができ、また園内に設けられた「鉄馬元気驛站」では休憩したり、簡単な修理、案内やガイドといったサービスを受けたりすることができます。景色については見通しが良いため、園区の河畔から関渡大橋が見えるだけでなく、淡水河口の美しい夕日を眺めることもできます。近くには淡水の風景が描かれた多くのポストカードを展示する「淡水漁業生活文化影像館」と、山と海の景色や日の入りを鑑賞できるカフェがあり、見学や休憩が可能です。